閲覧にあたっての注意: この物語を読むにあたって「文字が細かくて読みづらい」ような不都合が生じた 場合、ブラウザの「表示」→「文字のサイズ」をクリックし、表示される文字の大きさを設定しなおす事を おすすめします。なお、文章表現や内容に関して、一般向けに公開したと言いつつも一般社会の定義と照らし 合わせて馴染みのない表現が数多く存在している事も事実であります。あらかじめご了承下さい。 |
時間は若干遡る。
モジョジョジョのアジト。
先のタウンズビルの工事現場での騒動は、すでにモジョの耳にも入っていたが、詳細の一切は遠方より監視活動を行っていた CPGがデータ収集を行っていたのだ。そして、モジョは彼女達の採取したJPPGのデータを解析していた。モジョジョジョ:「基本的な能力は元のPPGと変わらない、 か…違う所は名前と、外見のみ…」
一通りの解析を終え、モジョは少し感慨深気にこの言葉を語った。
モジョジョジョ:「…それにしても、あのチンピラ五人にあんな オモチャを呉れてやった物好きが居たとは…恐らくはあのクソガキか、「彼」に間違いないだろう…」
バビロン:「〜やはり、あの時点で我々が止めを刺しておくべきでしたで しょうか、マスター?」
モジョジョジョ:「…多少の混乱があったものの、御陰でこちらは結果的に、手の内を見せずに済んだ訳だが…「彼」の言う共同作戦というのも、説得力が なくなってきたな…」
一人、自らに語りかけるモジョは、CPGの前をウロウロしながらある考え事に耽っていたが、やがて結論に達したのか、歩みを止め、モニター前の操作盤に手を掛ける。
モジョジョジョ:「敵は、どうやらPPGの偽者だけでは済みそうにないらしいな…ならば、」
操作盤のキーを巧みに操るモジョ。
「こちらも持ち札を使うとしよう。 それも…」
やがて、モニターに何らかの映像が映し出される。
映し出されたのは、捕らえられたPPGと同様、何かの水槽に収められたアメーバ・ボーイズの三人だった。
もちろん、 三人は昏睡の真っ只中であり、その様子は逐一、正面のモニターにデータとして表示され続けられていた。モジョジョジョ:「失っても痛くも痒くもない、どうでもいい奴を、な!」
やがて、モジョはモニターの映像を切り替えた。何らかの操作画面らしかった。
ベルリン:「…我々の次の任務は?」
モジョジョジョ:「バミューダは 「彼」の周辺を、バビロンはプリンセスの周辺を監視せよ!ベルリンはあの偽者PPGの様子を探れ。何かあったら相手に気付かれぬように、こちらに連絡をよこせ…分かったな!」
CPG:「…了解!」
主の命令を受諾し、CPGはそれぞれの持ち場に向かって散っていった。
そして独り、その場に残されたモジョは、ある気がかりな事に頭を悩ませていた。モジョジョジョ:「…こんな時によりによって、あいつらが逃げ出したままとは…別の悪党を取り込む手もあるが、こうも手が回らない状況では…」
モジョの脳裏に、世界征服 宣言より少し前の日の、ある出来事の情景が蘇る。
声1:「…ぅわああああああああああ!!!!!!!!!…何だこれはぁ!!!!??」
声2:「…てめえ、 俺達に…何をしたァ!!!???」
モジョジョジョ:「…心配するな!必要な戦闘データが取れたら、もっと素晴らしい身体を拵えてやる。 それまでの辛抱だ」
声3:「…この脳ミソ猿!!!〜俺達の身体に、何をしたんだ!!!!????」
モジョジョジョ: 「決まっているだろう!これが、御前達の新しい力…スーパーパワーと、俺様の科学力の結晶!!!これが…新生ラウディラフ・ボーイズ(RRB)だ!!!!!!!! 」
暗闇の空間の中、モジョの目の前に現われた三つの姿…それは、数日前に再生されたRRBだ。
だがその姿は、人の理と大きくかけ離れた、異形を成していた。
ブリックの腕には 金属製のドリルとクローアーム、脚にはジェット機関が装着され、片目は肉眼から高性能センサーに取りかえられていた。他の二人、ブーマーとブッチも取りつけられた部品は異なるものの、人間の 体を無くしていた事実はブリックと同じだった。
生身の神経に感じる本能的な違和感、そして、自らの意と異なる変貌に、明らかに三人は動揺していた。そして、自らの創造主でこの所業を行った 張本人に、明らかな敵意を剥き出しにした。ブリック:「俺達の身体を…元に戻せ!!!!!〜さもないと…タダじゃ済まさねえぞテメエ!!!!!!!」
モジョジョジョ:「御前達、嬉しくはないのか?御前達は…PPGをも凌ぐ強大な肉体とパワーを手に入れたのだゾ!むしろ…感謝して欲しい ものだ、この俺様…モジョジョジョになあ!!!!!!」
モジョ本人にしてみれば、彼等に恨みを買う覚えは一片も存在せず、むしろ感謝されて当然の行為であったと信じて疑っていなかった。しかし、 彼の意に反してRRB三人は、この理不尽な処置に完全な反感の意を表していた。
ブーマー:「俺達は…確かに強くなる事には反対はしなかった…だが、こんな バケモノにしろとは一言も言ってないし、望んでもいなかったぞ!!!」
モジョジョジョ:「…もう遅い。サイボーグ手術ではもう 元の肉体に戻す事は出来ない…諦めろ」
ブッチ:「このキ××イ科学者め!!!!」
モジョジョジョ:「 …何だと!!!!!!」
この様な状況を念に入れて、三人の手足を拘束具で固定し動力を制御しておいたのは、モジョにとっては不幸中の幸いな判断だった。
慎重さを念に押した判断の 結果に、内心モジョは胸を撫で下ろしていた。しかし、RRBがこの改造手術に異を唱えている以上、彼等をこのままにした状態では反抗の機会を与えかねない。
いささか不本意ではあったが、モジョは自らに 決断を下した。モジョジョジョ:「…御前達がこの素晴らしい肉体に異を唱えるのなら仕方ない…こうなれば、更なる改造が必要と見た!」
ブーマー: 「…それって、どういう意味だよ!!!?」
モジョジョジョ:「…二度と俺様に逆らう事がない様に…脳改造を施すまでよ!」
ブリック:「この人でなし!!!!…猿でなし!!!!」
RRBが全身に力をこめて、手術台の拘束具を破ろうとするが、パワーを制御されて思うような力を発揮する事は出来ない。
モジョジョジョ:「そう慌てるな…再手術の準備が出来次第、すぐに楽にしてやる…フハハハハハハハハハハハ…!!!!」
自らの高笑いとRRBの絶叫を残し、モジョは手術室を 出ていった。脳改造の準備を整えるためであった。
2時間後、脳改造の準備を終え、再びモジョが手術室に戻ってきた時、そこにいる筈のRRB三人の姿はなかった。
明らかに、拘束具を無理やり 引き千切って逃走した事は間違い無かった。
床には血の滴ったあとが続いており、恐らく手術の跡が完治いていないのか、あるいは拘束具を千切った時の傷を物語っているのか、どちらかの事実を暗示している 事は間違いないだろう。モジョジョジョ:「…馬鹿者共が…」
自ら生み出したRRBに、完全に裏切られた事を自覚し、モジョは心底落胆した。失望の余り彼等を追う事すら、 出来なかった。
追憶はここで終わった。
再びモジョの視界には、待機状態のモニター画面が映っていた。
モジョジョジョ:「…御前達…今頃、何処で、何をしているのだ…何を考えている のだ…」
その言葉は、モニター画面に反射して見える自分の姿に問いかけているようにも見えた。
一方、逃げ出したRRBの方も、五体満足での逃走といかない状況であった。
三人は肉体を手術されて覚醒したばかりなので、細部の機械部品は未だ未調整のままだった。その為、身体を 動かす際にある種の違和感と、猛烈な激痛が全身に走る。
互いが互いを支え合い、どうにか命かながら逃げ出したというのが今の現状だった。それにも増して、脱走の際に拘束具を引き千切った時の過剰な パワーの消耗で、意識を保つ事さえ、逃走中の彼等には困難であった。
日が落ちて、タウンズビルのさびれた路地裏の一角の影が色濃くなった頃、三人は影に身を潜め、ようやく一息付く事が出来た。ブーマー:「…おいブリック…これから俺達…どうする…?」
ブリック:「〜まずはこの身体に慣れる事かな…こうもしょっちゅうあちこちが痛いんじゃ空だって満足に 飛べやしない…」
ブッチ:「…季節が冬でなくてよかったぜ…でなきゃ次の朝、俺達氷付けのままあの世行きかもな…」
ブーマー:「〜冗談じゃない!こうなった 以上、あの猿野郎に痛い目会わせなけりゃ気が納まらねえ…」
ブーマーが怒りをぶちまける度、彼の全身に激痛が走る。その痛みが、彼をより苛立たせた。それから数日が過ぎ、目立たぬ街角の一角に 隠れ家を構え、3人はリハビリを重ねる毎日を送っていた。
腹が減れば夜中にスーパーに忍び寄り、食物を持ち出して飢えをしのぐ生活を重ねていたが、身体的な不自由は彼等が思っていた以上に深刻なもの だった。
食べ物を盗みにスーパーに侵入しては失敗して死に物狂いで退散する事が少なくなかったが、皮肉にもその尋常でない姿のお蔭で追手から逃れる事が出来た事も、又少なくなかった。
そんな ある日の夜。
その日の食事にありつけなかった3人は、いつもの様にアジトへ逃げ帰る道の途中で一休みしていたが、街はすでに街灯が辺りを照らすまでに暗くなっていた。
疲労困憊しきった3人は その場に身体を大の字に預けて、もう一歩も動けなかった。ブッチ:「…もう一息だったのになあ…あそこで野良犬に吼えられるなんて、ツイてねえや…」
ブリック: 「〜大丈夫かブーマー…御前が一番ヤバかったみたいだったけど?」
ブーマー:「心配無用だぜ!…こんな所で…くたばってる場合じゃねえよ…」
ブーマーの疲労と焦りの色が 他の二人よりも濃かった事実は、本人よりも他の二人がよく認識していた。
ブッチ:「…それにしても疲れたなあ…腹も減ったし」
ブリック:「逃げ出すのにパワーを 使い過ぎちまったみたいだな…少し、寝るか…?」
ブッチ:「ああ、休めば何かいい考えも浮かぶかもな…」
疲労と空腹で気が滅入りそうになる時、3人はこうやって大の字になって、 空を眺めながら眠りを貪るようになった。そうすると、少しだけ気が楽になるからだ。
辺りが暗くなり、三人の姿を目立たなくしていく。それを幸いに、ブリックとブッチは横になり眠りに就く。ただ、 ブーマーの嗚咽はか細くなりながらも続いていた。ブーマー:「…ちくしょう…チクショウ…畜生…!」
空に満点の星が輝く頃、RRB三人は不思議な感覚に目を覚ました。
それは脱走の際に味わった不快な違和感とも、苦痛とも違っていた。むしろそれは、暖かいベッドの中で安心感に包まれているような、彼等がかつて味わった事のなかった幸福感だった。
余りの心地良さに 寝入りそうな気分を押さえて、ブーマーが目を開いた時、そこには人影があった。
咄嗟にブーマーは身構えた。
目の前の人物の姿を確認し、ブーマーは言葉を失った。
それは、PPGだった。しかし、 姿は彼等の知る宿敵とよく似ているものの、格好が明らかに異なっているのだ。
そしてブーマーの姿を目の当たりにしたその人物も、驚きの色を隠せなかった。ブルーム:「…貴方達、大丈夫?」
ベル:「ブルームが何か違和感があるって言ってここに来たんだけど…その身体は、どうしたの?」
改造手術を施された体の事を指摘され、ブーマーの激情に火が付いた。
ブーマー:「うるさい!!!!」
彼の文字通りの鉄拳が肘から火を吹き、矢のようにブルームに向かって飛んでゆく。狙いが定まっていなかったのか、鉄拳は ブルームの肩にかすっただけだったが、衝撃で彼女は壁に叩きつけられた。
ベル:「ブルーム!!?」
飛んでいった鉄拳は元通り、ブーマーの腕に繋がった。
続けて攻撃を仕掛けようとした ブーマーは戸惑った。
よろめきながらも立ちあがったブルームの全身から、敵意は感じられず、それどころかその瞳は、悲しみの色に満ちていたからであった。
その哀れみの情が、かえってブーマーを苛立たせた。 しかし、攻撃を仕掛けようとする鉄拳は、何故かぴたりと止まったままだ。ベル:「ちょっと!少しは私達の話を聴いてくれたって…」
ブーマー:「御前達に俺達の何が分かるって 言うんだ?…御前等、PPGの仲間だな?」
ベル:「…そう言われればそうだけど…」
ブーマー:「だったら、とっとと消え失せろ!!!!」
再び鉄拳を撃ち出そうとするブーマーを、ブリックとブッチが制した。同時に、ベルの前にブルームが立ちふさがっていた。
ブルーム:「私達…戦いに来たんじゃ ない!」
その言葉に真っ先に口火を切ったのはブッチだった。
ブッチ:「そうみたいだな」
ブリック:「さっきの違和感は…御前の仕業か?」
その問いに、 ブルームは静かに頷いた。ブリックもブッチも、彼女が自分達に何を施したかは薄々分かっていた。
ブッチ:「…だが、俺達から頼んだ訳じゃないから、礼なんて言わないゼ」
ブルーム: 「私達…貴方達の、声を聞いて…それで、その…」
元々言葉で会話する事の苦手なブルームは、上手く説明をする事が出来なかった。そこへ、ブーマーが抗議の声を上げる。
ブーマー: 「ブリック!ブッチ!何故止める?こいつらPPGの仲間だぞ!!!こいつら、PPGのせいで俺達は…」
ブッチ:「こいつらが敵なら、今頃俺達は寝首を掻かれて、息の根を止められているよ。それに…」
ブリック:「やりあうんだったら、日を改めた方が、今の俺達にとって懸命…そう言う事か、ブッチ?」
二人の冷静な言葉に、ブーマーもようやく肩の力を抜いた。
やがて、ベルとブルームの 後ろの方角から、さらに二人の影が現われた。ジーンと共にタウンズビルにやって来たマーシュと、バードだ。マーシュ:「貴方達…RRB?」
いささか息の荒い彼女の呼びかけにも応じず、 ブリックとブッチは彼女達に背を向けて、その場を後にした。二人の後に続くブーマーは去り際、依然悲しい眼差しで彼を見つめるブルームに向かって、吐き棄てるように、この言葉を語った。
ブーマー:「御前等がどんなに情けをかけたって…俺は、御前達PPGを絶対、許さない!それだけは、覚えとけ!!!!!!」
やがて、RRB三人の後姿は暗闇の中に溶けて、消えていった。
その寂しげな後姿を、独りブルームだけが見守っていた。
一方、残りの三人は、バード:「…んもう探したわよ! 突然二人とも居なくなっちゃうんだから…こんな夜中に街中を歩くなんて、悪い子のする事でしょ!」
ベル:「そんな事分かってるわよ!でも、ブルームが突然…」
マーシュ:「…そう言えばさっきの三人、確かに…RRBみたいだったけど、一体あの身体は…どうなっちゃったのかしら?」
マーシュがブルームの顔を覗きこむと、その大きな瞳からは静かに、 一筋の涙が零れていた。
バード:「〜でももったいないワよねえ…折角タウンズビルに来たって言うのに、明日になったら又フランスに戻らなくちゃならないなんて…外を出歩きたくなるのも、 何となく分かる気がする」
マーシュ:「仕方ないでしょ?インターポールからの緊急の要請なんだし…パリの方も大変みたい。後は…ジーンが何とかしてくれるみたいだから、安心なんだけど…」
JPPGが退院して次の日、タウンズビル市庁舎のオフィスの一角に、マサトシとJPPGは居た。
秘書べラムに案内されて初めて市長のオフィスに招かれたマサトシは、そこで意外な人物との対面を果たした。
その人物とは、ネット上でしか会った事の無い友人、ジーンだった。もちろん、彼の傍らにはあのEPPGも一緒にいた。
あまりの唐突な対面に面食らったマサトシと対照的に、ジーンは外見にそぐわない紳士的な 態度で、握手を交わした。ジーン:「会えて嬉しいよ!」
その手で握手を交わし、肩をたたかれて、ようやくマサトシも歓喜の情を表した。
マサトシ:「僕も、とっても!」
挨拶もそこそこに交わした所で、真剣な表情に戻ったジーンがここにやって来た経緯を語り始める。
ジーン:「実は…俺がここにやって来た理由は2つあるんだ。一つは、JPPGと協力して、 悪党共から本物のPPGを助ける事。それから…もう一つは…」
マサトシ:「もう一つは…?」
少し何かを言い難そうな感じのジーンだったが、肝心の来訪の要点を明かす。ジーン:「…JPPGの、本当の力を覚醒させる事、だ」
最後の目的を聞いて、マサトシは戸惑った。そこへ、ジーンの言葉が続く。
ジーン:「誤解しないで聴いて欲しい。俺は…他のコピーPPGに列記とした特殊能力が存在して、マサトシのJPPGにそれがありえないなんて、解せないんだ。恐らく…JPPG本来の特殊能力が、未だ発動していないだけなんだと思うんだが…」
マサトシ:「その為に、ここに来たの?」
ジーン:「幸い、市長の協力でユートニウム博士の施設を借り受ける許可は貰ったんで、技術云々で問題はない。後は…マサトシとJPPGの気持ち次第なんだ が…」
確かに、このまま負けっぱなしのままではJPPGにもタウンズビルの住人達にも気持ちが済まない。でも、検査の結果次第で、仮にJPPGが能力的に劣っている事が判明した時、自分はどうすれば…
マサトシ特有のネガティブな思考が、頭をもたげる。そこに、JPPGが声を掛ける。ブレード:「大丈夫だよ!あたし達…マサトシの事、信じてるからさ!」
ブルー: 「〜だってぇ、マサトシはPPGの大ファンだったんでしょ?きっとその気持ち、あたし達の中にもきっといっぱい詰まってると思うんだ!」
バーン:「〜そういう事。もちっと自分のPPGを信頼しなって!」
PPG達の励ましの言葉に、マサトシも少しだけ、気が楽になった。その表情を見計らって、ブライトがジーンに語る。
ブライト:「私達、どうしても強くならなきゃならないんです!…御願い します、ジーンさん!」
ジーン:「…敬語でなくて『ジーン』でいいよ」
会話が落ちついた所で、秘書べラムが別の話題をジーンに尋ねる。
ミス・べラム:「…そう言えば もう一人、連れの方がいらっしゃる予定のはずだったのでは、博士?」
ジーン:「マーシュの事ですか?実は…」
マサトシ:「マーシュも来る予定だったの?でも、何があったんです か?」
ジーン:「ああ…FPPGはEPPGと一緒に先にタウンズビルに来ていて、俺とマーシュは一緒に来る予定だったんだ。マサトシを助ける為にな。所が…」
マーシュが突然、渡米を断念した 理由、それは最近になって、パリ中の美術館や宝石店、ブランドショップにある美術品、貴金属、高級ブランド品等が、何者かの手により瞬く間に盗難に遭う怪事件が勃発した為であり、その調査の為に、彼女とFPPGは インターポールの要請で借り出される事となっていた。
しかし、個人的にマリーナとSPPGも彼女に協力する為にパリに向っているので、特に問題はなかった様だが。ボルト:「〜まあ、傷を直す という事じゃあFPPGは間に合ってよかったって所だけど、あっちはあっちで何とかなるだろうって。後は、俺達に任せなって!」
ミス・べラム:「やはり…モジョ達悪党3人に荷担する、他の悪党の仕業 かしら?」
ブレア:「案外、そうだったりして?ねえジーン?」
ブライト:「…なら急いだ方が!でしょ、マサトシ?」
マサトシ:「…う、うん!」
ミス・べラム:「じゃ早速検査の支度を!私は車を準備します」
空気が目に見えて緊張し、皆の動きが慌しくなる。
この時になって、マサトシは時計の針が時を刻み続けている事を痛感していた。迷っている時間など、無い事を。
その頃、南仏マルセイユ上空に滞空しているSPPGとマリーナは、
ビショップ:「…確かにフランスみたいらしいけど、ここ、パリじゃないみたい…」
ブリッツ: 「だ〜か〜ら〜、最初から列車で行こうって言ったのに〜」
マリーナ:「仕方ないでしょ!!!アタシ達お金そんなに持ってないんだから!」
ブリーズ:「空を飛んでゆくのは簡単で安上がり、なのはいいけど…ここにいるみんな、方向音痴みたい…」
ブリッツ:「…やっぱり地上に降りて、 行き方聞いてみたら?…その、駅員サンにさあ?」
マリーナ:「…もう、 いやああああ―――――――――――――――っっっ!!!!!」
ビショップ:「…やっぱり、FPPGとマーシュさんに迎えに来てもらおうか?」
この後、マリーナ達がインターポールに 泣きついて迎えに来てもらい、パリに到着したのは、それから10時間後の事であった。
前の話に戻る | SSE入り口へ | PPG36入り口へ |