第4話 「スーパーパワー発動!」 キャプター3

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 突如、九龍上空に飛来した巨大円盤は、先に飛来した時と同じく、あの巨大軟体生物を投下した。そこに香港島から飛来したHPPGが駆けつける。

ブレイズ:「バーディーは奴の注意を引きつけろ!俺があいつを凍らせて、ブレイクのバリアで会場へ弾き飛ばすぞ!」

バーディー:「任しときな!」

ブレイク:「東京の時とは、訳が違うんだよ訳が!」

 真っ先にブレイクが軟体生物の真下に降り立つと同時に、ブレイズのアイスブレスが建物に取り付いている生物の下半分を凍らせてゆく。その間も、バーディーのビーム攻撃で軟体生物は混乱している様だ。
 そしてブレイクのスーパーパワー、物質攻撃を防御するエネルギーバリアが発動し、九龍市街をほぼ完全に包み込む!
 突然発生した強烈なバリアの反作用で、建物に取り付いた軟体生物は消化吸収する暇もなく、沖合いへと弾き飛ばされた。
 そして九龍港より7時の方向約1キロメートルの沖合いに、高々と波飛沫が上がる。
 その光景は、銅鑼湾にいるウォンの眼からも確認が出来た程だ。

ウォン:「円盤を逃がすな!」

 その声を特殊な聴力で聞いたHPPGが、円盤のいる方向に振り向くと、円盤は移動し始めようとしている所だった。
 すかさずブレイクが矢のように飛び上がるや、 円盤へと体当たり攻撃をしかける。
 円盤は質量が大きいのか、彼の体当たりに最初は大きく揺らめいていたが、暫くすると元の全く動かない状態にもどっていった。
 次に駆けつけたバーディーがレーザーブラストを放つが、銀色の装甲には焼け焦げた傷も付かない。
 そして最後にブレイズが何かを仕掛けようと した時、円盤は突如、急激なスピードでHPPGに体当たりを仕掛けた。
 唐突な体当たり攻撃を受けて、九龍市街の大道路に墜落するHPPG。だが、3人の根性は、未だ折れてはいない。

バーディー:「〜やりやがったな!」

ブレイズ:「しかしあの円盤、 俺達の攻撃じゃ、びくともしないみたいだ。どうする?」

ブレイク:「なぁに、スーパーパワーだけが俺達の実力じゃないって!」

バーディー:「んで、どーすんだよ?」

ブレイク:「こうするんだよ!」

 ブレイクが再び円盤に向かってゆくと、円盤はもう一度体当たりを仕掛けようと急加速する。しかしブレイクはそれをかわして円盤の進行方向の後ろに回りこみ、勢いのついた円盤を空高く押し上げ始めた。

ブレイク:「こいつを宇宙まで放り上げるんだ!」

 その一言で、ブレイズと バーディーは彼の思惑を一瞬で理解し、すぐさま加勢する。
 HPPGによって地球外へと押し上げられた円盤は一路、月へと向かっていた。そして、

ブレイク:「一気に加速して月に叩きつけろ!」

 一気に亜光速までスピードを上げたHPPGは、月面直前まで円盤を押し出した後、一斉に放り 投げた!
 制御の出来ない円盤は月面に激突し、長い溝を引いてようやく沈黙した。
 半壊した円盤は機体所々が無残にめくれ上がり、中の機械が露出している。出来た亀裂の中には、HPPGが楽に中へ潜り込めそうなのものあった。

ブレイク:「ここまでやっつけたは良しとして、どうする?」

バーディー:「中に宇宙人とか居たらどうする?」

ブレイズ:「そんな事調べてみなくちゃ分かんないだろう?」

 いささか不安なものの、結局円盤に進入して内部を調べる3人。中は完全に無人の遠隔操作か、あるいは自動操縦で活動しているらしく、生き物がいるような所は 見つかりそうに無かった。
 そして、円盤の大部分を占めると思われる格納スペースに到着する。そこは文字通りの、蛻のカラだ。

バーディー:「何だここは?」

ブレイズ:「多分ここが、あの生き物の詰まっていた所じゃないのか?」

ブレイク:「何にも 無いな…となると、この円盤にまる一匹、あの生き物が入っていたって事か?」

バーディー:「でもよお俺達、機械の事なんか全然わかんないし、どうやってこの円盤を確かめる?」

ブレイク:「何か適当に拾っていって、イギリスのジーンに調べてもらうのがいいんじゃない?」

ブレイズ:「〜だったら、何を持って返ろうか?」

 その時、円盤の中が小刻みに振動し始める。

バーディー:「げ!」

ブレイズ:「何かヤバイかも?」

ブレイク:「逃げろ!」

 慌てた3人が 外に飛び出してすぐ後、円盤が轟音と共に爆発した。
 自分達の無事を確かめて、改めて胸をなでおろすHPPG。

バーディー:「あれって、もしかして自爆って言わないか?」

ブレイズ:「何はともあれ、助かったからいいけど…」

 黒い痕跡を残して、円盤のあった所には 無数の部品が散らばる。
 その一つを拾い上げて眺めるバーディー。

バーディー:「〜何か、見たことのあるような鉄屑ばっかりだなあ」

 それを聞いてぎょっとする残りの二人。すぐに他の部品をかき集める。

ブレイズ:「〜これは宇宙人の乗り物じゃない! 地球の誰かが作った飛行機だ!」

ブレイク:「でも、誰の乗り物?」

ブレイズ:「とにかく、何か難しそうな部品を探すんだ!持ち帰れば、何か分かるかも!」

 円盤の部品のいくつかを選んで持ち帰ってきたHPPGだったが、円盤の事に専念して軟体生物をうっちゃらかしている 間に、今度はマカオに軟体生物が上陸していた。物凄くあわてて再び海上へと弾き飛ばすHPPG。
 海上で相手の動きを封じた後、バーディーが生物の意識を封印して冬眠状態にし、そこでブレイズのアイスブレスで海水の氷を使って完全に密封し、残りの処置は特別行政府に任される事となった。

 夕方になってやっと 銅鑼湾に戻ったHPPG。やたら忙しい活躍だったらしく、非常に疲れた様子で現れた。

ウォン:「今日も大活躍だったな?」

ブレイズ:「〜それは構わないけどさあ、出迎えがムサい男一人っての、わびし過ぎないかよ?」

バーディー:「もうしゃべるなって… 聞いてるだけで余計に疲れるし〜」

ブレイク:「ウォンよう〜家までおぶってって呉れ〜」

ウォン:「…あのなあ」

 疲れきって普通の子供同様にだだをこねるHPPG。そこに、

声:「それじゃあ、あたし達がおぶって行ってあげようか?」

 声をかけたのは先の女子中学生の群れの中の3人だった。
 ショートカットに人懐っこそうな雰囲気のマリア、肩まで伸ばした長髪に気の強そうな瞳のジュディ、丸顔で後髪を三つ編みで束ねた文学少女風のムーンの三人が、何時の間にかHPPGの後ろに立っていた。
 彼女達はウォンの下宿の近くに住んでいる近所の 知り合いみたいな存在で、全く勝手な話だが、HPPGのファンクラブ的存在でもあった。
 ウォンにとっては本当にただの近所の知り合いの付き合いだが、彼女達とHPPGが互いに意気投合してしまっているので、彼にとってはいささか困った所でもあった。

ブレイズ:「〜そりゃあもちろん ありがたいッスよもう」

バーディー:「…それじゃあ、お言葉に甘えて、

ブレイク:「ラッキ〜☆」

 さっきの弱音は何処へやら、鼻の下を伸ばして調子に 乗ってるHPPG3人。

ウォン:「〜駄目だコリャ」

 呆れてものも言えず、頭をかかえるウォン。

ジュディ:「そう堅くなるなって!子供のうちは目一杯甘えるが吉って事よ」

ムーン:「折角、世界の平和の為に活躍してきたの だから、こういう時くらいは優しくしてあげないと、ちょっと可哀想ですわ」

 もっともな意見でウォンを納得させようとする彼女達だが、単にHPPGに構いたいだけじゃねーの、と頭の中でぼやくウォン。そこに、バーディーが何かを差し出す。
 それは、あの円盤の部品の一つだった。

バーディー: 「忘れるトコだったよ。こいつを調べて欲しいんだ!」

 部品を受け取り、どうやって調べようか思考をめぐらすウォン。そこへ強引に耳を引っ張って帰宅を促すマリア。

マリア:「ホラあんたも、一緒に帰るわよ!」

 渋々後を付いていきながら、だから女は苦手なんだと頭の中で愚痴を こぼすウォンだった。


 同時刻のタウンズビルは、昼の少し前。

 地元の小学校に通うマサトシは、授業の合間を縫ってJPPGのスーパーパワー覚醒プランを考えていた。
 なお、殆ど学習する必要の無いジーンは、研究レポート製作の一環と称して、EPPGをパートナーとしたJPPGの訓練に従事していた。先のギャングリーン・ギャング との戦闘による敗北の結果を受けて、ジーンは可能な限り詳細な戦闘シュミレーションの再現を行い、訓練計画を練った。JPPGのスーパーパワーが未だ覚醒していないのは精神的な原因があるのではないかという仮説を3人に説明し、マサトシの同意を得て、徹底した極限状態への追い込みを試みた。
 訓練には スーパーパワー全開のEPPGが致命傷を負わせる攻撃に注意しながらJPPGに情け容赦の無い攻撃を仕掛け、タウンズビル郊外の工事現場を借りた訓練場を所狭しとJPPGがそれに応戦する形式で行われた。

ブレード:「これって、本当に訓練?」

ブルー:「もう一回聞いちゃうけど …これって本当にイジメじゃないよねえ??」

ブライト:「二人とも集中して!気を抜いたら大怪我するわよ!」

ブルー&ブレード:「そんな〜(涙涙涙)」

 しかし、そんな3人以上に別の意味で 焦っていたのは、訓練を指揮するジーン本人だった。
 普段なら遅かれ早かれ、自分の計算通りの結果になるはずの目論見が、意に反して一向に結果が見えないのだ。
 かれこれ彼がタウンズビルにやって来て1週間近くが経過し、間髪入れずにすぐに訓練を開始したが、全くスーパーパワー覚醒の兆候が見られない のだ。
 最初は面白半分で意気揚揚と訓練の片棒を快く引き受けたEPPGも、いい加減、苛つきが頂点に達しつつあった。

 夕方になってEPPG、JPPG両方とも体力を使い果たしてへとへとになった所に、何とも複雑な表情のマサトシが駆けつける。これが、ここ1週間にかけてのいつものパターンである。
 そして、 意気消沈するJPPGとEPPGをマサトシとジーンなだめるのも、いつもの光景になりつつあった。

ボルト:も〜嫌!!一体あんた達、本当にスーパーパワー使う気あるの!?」

バーン:「…最初は一番ノリノリだったボルトが最初にサジ投げ出す なんて、初めて見たね…」

ブレア:「〜も〜駄目…もう一曲も歌えないし…」

ブレード:「…梯子トライアスロンやった後の気分って、きっとこんな事なんだろうねぇ…」

ブライト:「〜あんたまだそんなギャグ言える余裕 あんの?」

マサトシ:「…ブルー?」

 ブルーの声が聞こえなくて、マサトシが彼女の方を向いてみると、彼女はぐったりしていた。
 疲れて眠ったのか気絶したのか、そこまでは彼も分からない。

 泥のように眠るブルーを背負っているのはバルドだった。
 初めのうちは期待に 胸をふくらませてJPPGを応援していたバルドだったが、日を重ねるにつれ悲壮な思いで固唾を飲む姿に変わっていた。

 背中にブライト、腕にブレードを抱えてミス・べラムの自宅に向かうマサトシとバルド。それに、スーパーから借りたカートにEPPGを乗せてジーンも続く。
 余りに重苦しい雰囲気にバルドは マサトシに声をかける事が出来なかったが、それを察してマサトシが逆に話し掛ける。

マサトシ:「諦めたら何も出来ないさ。どんなに時間がかかっても、僕は諦めないよ」

 正直な所、マサトシも焦っている事は否定しなかったが、諦めてもいなかった。そんな表情が彼の言葉以上に、彼の決意を 物語っていた。それを観て、バルドもぱっと表情を明るくした。

バルド:「…でも惜しかったなあ…今日こそはきっとJPPG、きっとスーパーパワー使えると思ったのに〜」

ジーン:「あの娘達の努力には文句は言えないけど…必ず発動の要因はあるはずだ。今までのデータを再検討 して、明日又チャレンジってな所だな?」

マサトシ:「まずはこの娘達を先に休ませて、目が覚めたら食事をさせよう。バルドも、それでいいかい?」

バルド:「うん!」

ジーン:「バルドは疲れてないかい?」

バルド:「わたしは 平気…ですけど、EPPGはどうなんですか?」

ジーン:「こいつ等も相当にへたってるなあ…JPPGと一緒に休ませるさ。まずは俺達だけで夕食だな」

バルド:「ねえマサトシ、晩御飯が済んだら…又あれ、やるの?」

マサトシ:「あ、ネットの事?」

ジーン:「俺はかまわねえけど、バルドは遅くまで起きてられないだろ?又ミス・べラムに怒られても知らないぞ?」

バルド:「〜だってぇ…」

 先にネット上でマサトシの友人達とコピーPPG達を紹介されて以来、戸惑いながらも彼等ともっと会話がしたいとバルドは思い始めており、 マサトシとジーンもそれをよく理解していた。但し、世界各国の時差を考慮して、全員がネット上で顔を合わせる事が出来るのはタウンズビルではマサトシの就寝時間ぎりぎりの夜中であった。だからバルドは時折ミス・べラムの目を盗んではマサトシと一緒にネットに興じるようになり、見つかる度にミス・べラムに釘を刺される のであった。
 ただし、今日に限ってはミス・べラムの仕事が久々に深夜までずれ込む様だ。

マサトシ:「今日くらいは、あの人だって分かってるさ。きっと許してくれるよ。だけど、あんまりミス・べラムを困らせちゃ駄目だよ、バルド?」

バルド:「は〜い!」

 年 相応の女の子らしく、ちょっぴり舌を出しておどけて見せるバルド。顔を合わせたジーンとマサトシも、思わず声を上げて笑った。


 その夜、テキサス州ラスベガス。

 広大な砂漠に立つ無数の高層ビル、ネオン広告、高級ホテル、そして、巨大なカジノとショッピングモール!
 星が瞬く深夜でさえ眠る事の無い世界有数の娯楽都市、ラスベガスの、これまた世界有数の規模のカジノの一角に、突然爆発が起きた。きらめく七色のネオン に負けない輝きの劫火を巻き上げ、深夜にも関わらず観光客でごった返す中心街が一時、騒然となった。
 その劫火の明かりの中から、突然現れた暗い緑色の無機質な影。
 どこでかっぱらってきたのか、アメリカ最新鋭の軍用車両に乗ったギャングリーン・ギャングが荷台に積みきれない位の札束と貴金属を乗せ、 唖然とする観光客を尻目にラスベガス中を逃げ回る。あたかも、自分達の姿を見せつけるかの様に。
 州警察と武装警察、軍隊も駆けつけての物凄い追いかけっこが始まるが、5人は意に介さずに町中を派手に駆け回った。
 軍の精鋭部隊が進行方向を塞ぐと見るや、エースが子分達に合図を出し、全員が一斉にアーマーを 装着し、即席のバリケードを余りにもあっけなく蹴散らす。
 相手が余りにも弱すぎると思ったのか、エースは運転役のアートローに指示し、軍の真っ只中に突っ込むように命令する。
 さらなる無謀な刺激を求めて、重火器を構える軍や警察の群れへ突進する5人。
 巨大な爆発が再びカジノ街を揺るがし、その後には 無様に気を失った兵士や警官が、無造作に転がっていた。後には、意気揚揚とタウンズビルへと向かうギャングリーン・ギャングの高笑いと、軍司令官の慟哭が虚空に木霊していた。

軍司令官:「こ…こんなバカな事があっていいのかあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ !!!!!!!!!!」

エース:「〜はっはっは〜!見ろよこの御宝の山を!一夜にして大金持ちだ!これがアメリカン・ドリームって奴だ!そうだろ御前達?」

ビッグ・ビリー:「あ、あのさあエース、…これだけあったらさあ、チューインガム、いくら位食えるかなあ?」

リトル・アートロー:「バ〜カ!そんなセコいものなんか一生、嫌になる位食えるだろーが!」

スネーク:「俺だったらハリウッドのグラマー女優を一杯はべらせて、ドンペリのシャンパン風呂でブルゴーニュの50年物片手に、100インチのプラズマビジョンで…」

 とそこでエースの 鉄拳がスネークの頭頂部に炸裂する。

エース:「バカ野郎!まだまだ遊びはお預けだぞ!ここまではまだ予行演習だ」

グラバー:「BOOOOOOOOOOO!!」

リトル・アートロー:「〜って事は、今度はタウンズビルでもっと派手にやるのか?」

スネーク:「折角ガッポリあるんだから、そんなに急がなくったって…」

 〜とそこでタイミングよく、又してもエースの拳が炸裂。

エース:「いいや!そうじゃねえ!」

エースを除いた4人:「じゃあ、何で?」

 そう聞かれて、エースの薄笑いがさらに 濃くなる。

エース:「前にパチモンPPGをぶちのめした事があっただろう?あの時はまだあのスーツの威力に半信半疑だったが、今度は完膚なきまでにあのガキ共を叩き潰すんだ!目障りな奴は又調子に乗る前にこの世から消し去ってやるのさ!」

リトル・アートロー: 「その次は?」

エース:「その次はあのこまっしゃくれた金持ちの小娘ン家に乗り込んで、金目の物を一銭残らずかっぱらうのさ。それでプリンセスとはおしまいさ!」

スネーク:「そうしたら?」

エース:「そうだなあ…モジョジョジョあたりでも、 からかいに行くか?」

エースを除いた4人:「賛成!!」

 下卑た高笑いと共に、一路タウンズビルを目指す一行。
 彼等が去った轍の後を、砂漠の乾いた風が虚しく通り過ぎていった。


 次の日のタウンズビル。

 その日の夕刊のトップ記事は、深夜のラスベガスの強盗事件がデカデカと踊っていた。
 そこには、満面の様子で調子に乗っているギャングリーン・ギャングの写真が大きく掲載されていた。

市長:「〜な、な、何じゃこりゃああああ〜〜!?」

ミス・べラム:「〜又ピクルスのビンの蓋が開かないんですか。市長?」

市長:「そんな事じゃあありゃせん!ワシの写真が載っとらんのじゃあ!昨日の植樹祭の時の記念写真が!」

ミス・べラム: 「ああ、その事ですか?」

市長:「ワシゃあタウンズビルの市長じゃぞ!何でワシの写真がトップで無いんじゃあ?」

ミス・べラム:「そんな事より、この記事、御覧になりましたか?」

 秘書べラムにそう言われて夕刊の記事に 目をやった市長は、さらに悲鳴を上げた。

市長:「〜あのゴロツキ5人が、帰ってくるのかああああああ!!!」

 同時刻、ミス・べラムの自宅居間。

 JPPG達は疲労と生傷の絶えない激しい訓練はひとまずとりやめにして、一日中、ジーンから カウンセリングを受けていた。
 そこに同席しているマサトシとバルドは、配達されたばかりの夕刊を受け取って、驚きを隠せなかった。
 数日前にJPPGを敗北に追いやったギャングリーン・ギャングが、タウンズビルに帰ってくるというのだ。これをJPPGが黙っていられる訳が無かった。

ブルー: 「そんなぁ〜まだスーパーパワーも使えないのにぃ」

ブレード:「そんな事言ってられる場合じゃないって!パワーが使えなくったって、今度は勝ってみせるさ!」

ブライト:「それなら、もっとあいつらの事も調べておかないと…」

 焦るJPPGの会話に割って入る存在が あった。

ボルト:「大丈夫だって!今回は俺達もいるんだぜ!」

バーン:「先回は数の上でも負けてたけど、私達も一緒なら勝てるって!」

ブレア:「訓練の内容は違ってたけど、チームワークだって負けないんだから!」

 会話の一部始終を聞き終えた ジーンが、重い口を開く。

ジーン:「こうなった以上、黙っていれば俺達はずっと負け犬のままだ。だが、無謀に立ち向かっても、前回の二の舞になる事は間違いない。ならば、正義の味方には正義の味方の戦い方がある!

バルド: 「それって、どういう事なの?」

マサトシ:「ブレアが言った通り、僕達にはチームワークがある。力任せだけが勝負じゃないって事だよ」

 二人の言ってる事が今一つ呑み込めず、首をかしげるバルド。対照的に、リベンジに燃えるジーンとマサトシは、何をやるのかがもう思い浮かんでいる様で あった。

JPPG&EPPG:「それで結局、どーするの?」

ジーン:「明日は早朝から、特訓やるぞ!」

JPPG&EPPG:「えええ〜〜〜???」


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